アイヌ料理

大阪市北区天神橋4丁目12、日本一長い天神橋筋商店街から東へ、ぷららてんまの方に少し入ったところに「ケラピリカ」というお店があります。このお店のメインのメニューは本格的なパスタなどのイタリアンなんですが、そのほかに、大阪でおそらく唯一アイヌ料理が食べられるのが特徴です。ちなみに、「ケラピリカ」とはアイヌ語で「おいしい」という意味。手頃な値段の料理もありますが、ちょっとお高めですけど、蝦夷鹿の干し肉やウサギ肉のオハウ、羆(ヒグマ)のオハウなど、多分ここでしか味わえない料理もあって、興味のある方にはオススメです。また、ムスリムフレンドリー(ノンポーク・ノンアルコール)のメニューもあり、イスラム教徒の方にも優しいお店です。
アイヌ料理の特徴は、狩猟や採取などで得た肉や魚、山菜や海藻を用いた料理で、オハウを主食に、煮物やあえ物、刺し身やたたきを食べます。素材の味を生かし、調味料には塩のほか、魚や獣の脂肪も使い、サケは特に大切な食糧で「カムイチェプ(神の魚)」「シペ(本当の食べ物)」と呼び、乾燥貯蔵して余すところなくいろいろな料理に用います。

同じ名前のお店が札幌の観光名所の「札幌市時計台」からほど近いところにもあったんですが、ネットで見ると去年の3月いっぱいで閉店したみたいです。これからは大阪のお店一本でいくのでしょうか?ここのオーナーシェフが今博明さんといって、アイヌ民族にルーツを持つ方です。
実は私、今博明さんとはちょっとした縁というかニアミスの縁があって、彼が札幌市内の市立中学校の生徒だったとき、高校の志望校が、私の函館の母校だったそうです。同じ年齢なので、もし彼が入学していれば同級生になっていたかもしれません。しかし、進路指導室で進路指導の教員が放った一言は「アイヌは受験させないよ」。怒りは沸かず、呆然と口を突いて出たのは小学校時代を過ごした大阪で身に付いた関西弁の「へぇ、そうなんや」だったとか。札幌の地元の高校に進学した後、大学進学はせず、学歴に頼らない職に就こうと思っていたとき、父の勧めもあり、調理師になることを決め、親元を離れ大阪へ。調理師専門学校を出た後、東京と大阪のイタリア料理店を経て本場イタリアで1年修業、96年に大阪で自分の店を開いたそうです。
アイヌ差別の問題は過去の話だけではありません。最近も、日本テレビの情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける表現があった問題で、日本テレビは8月26日朝の同番組内で、この問題の検証を30分間にわたって放送し、改めてアイヌ民族や視聴者に謝罪し、チェック体制の甘さを認めた上で、放送に至った経緯や再発防止策を説明しました。そもそもの発端は、3月12日の放送で、アイヌ民族を描くドキュメンタリーを紹介したお笑い芸人の発言が問題となりました。放送直後から多くの批判が寄せられ、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は7月、「明らかな差別表現を含んだもの」として放送倫理違反があったとする意見書を公表し、事前収録だったにもかかわらず、放送に至ったチェック体制の甘さも指摘しました。


ところで、「ケラピリカ」のメニューにある蝦夷鹿の干し肉に違和感を覚えるかもしれません。特に関西に住む我々は、鹿というと奈良の鹿を連想し、蝦夷鹿も奈良の鹿同様天然記念物で、捕って食べるなんてとんでもないと思ってしまいますが、そんなことはありません。蝦夷鹿は北海道全域に生息していて、頭数もさまざまな要因で爆発的に増えています。農業の被害も深刻化している中、ハンティングする以外でも、養鹿(ようろく/囲い罠で捕まり、家畜の飼料などで飼育されている鹿)事業もすすんでスーパーにも他の肉と並んで売られています。最近は素早く血抜きができたエゾシカ肉は美味しい、体にもイイ(特に女性には)という情報はあるものの、スーパーに売っていても他の肉と比べて、選択してもらえないのが現実だそうです。

そんな中、私の高校の同期の友人が、知床のある斜里町で斜里建設工業株式会社という建設会社の社長をやりながら、知床エゾシカファームという知床発の低カロリー・高タンパク・高鉄分の北海道エゾ鹿肉の飼育牧場と加工工場、販売通販サイトを運営しています。
知床もみじと呼ばれるエゾ鹿肉の特徴は、
①血液の浄化作用があると言われるリノール酸やDHAなどが多く含まれる
②鹿肉の脂質は牛肉の10分の1
③鉄分なども豊富で、ヘルシーな女性におすすめの食材
だそうです。
友人に聞くと、通販以外にもスーパーなどに卸しているそうで、関西ではイカリスーパーで扱っているそうですが、未確認です。

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