西成ライオットエール

大阪・西成でつくられる「西成ライオットエール」というクラフトビールが全国的な知名度を獲得しつつあります。西成という地名を聞くと、過去に暴動のあった街、生活保護者の多い街というネガティブなイメージをもたれるかもしれません。しかし近年は、インバウンドが盛んだったころは多くの外国人バックパッカーたちが宿泊費の安さにひかれて集まり、かつての日雇い労働者のための「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所がそうしたバックパッカーたちのための格安ホテルにどんどんリニューアルしています。また、街の人もタイのバンコクにカオサンロードと呼ばれる、格安ホテルや旅行会社が集まったバックパッカーたちの聖地と呼ばれる街をモデルに、日本のカオサンロードを作ろうと努力しているそうです。また、西成、特に「釜ヶ崎」と呼ばれるあいりん地区の独特な雰囲気に魅せられたユーチューバーたちが、街の雰囲気を撮ろうと集まってきています。

そんな西成の街でつくられた「西成ライオットエール」は、 もともと、生活保護や高齢者介護、障害者など、福祉のサポートが必要なおっちゃんたちの就労支援がきっかけでつくられ始めました。一般的に、そうしたおっちゃんたちの就労支援の仕事内容は、内職をはじめ、単純作業がほとんどで、本人たちもおもしろくないから続かないという問題を抱えていました。そんな中、「西成ライオットエール」の仕掛け人である山﨑昌宣さんは、おっちゃんから次のような言葉を投げかけられたそうです。
「西成は朝から酒を飲んでいる街やから、俺らが世の中で一番、酒のことを知っている。だから社長が酒を用意してくれたら、いくらでも売ってみせる」
最初は真に受けなかったものの、おっちゃんたちのモチベーションが上がってきたので、2017年11月、朝から酒を楽しむ街「西成」にこだわったクラフトビールとして、ライオットエールは誕生しました。「西成ライオットエール」という名前は、暴動というフレーズが少しでもオシャレに聞こえるとか、語呂のよさとかを重視したそうです。ちなみに、クラフトビールとは、小規模な醸造所がつくる、多種多様な個性あるビールのことを指します。
当初は「西成の暴動で商売しやがって」「西成に在住もしてないくせに、何がわかるんや」という声もありましたが、今では西成の人たちが「自分たちのビールだ」とプライドを持てる商品に育っています。そんな「西成ライオットエール」を、お酒のアテが100円の居酒屋でクラフトビールを取り扱ってくれる店舗さんもあるほか、今では「イズミヤ」というスーパーの本店でも「西成ライオットエール」の取り扱いをはじめたそうです。
おっちゃんたちはビール工場であるマイクロブルワリー「Derailleur Brew Works」(ディレイラブリューワークス)や直営のカフェ「Ravitaillement」(アビタイユモン)で働いていますが、なかには、一般就労(一般企業への就職)できた人もいます。今まではほとんど出勤しなかったのに15時まできっちり働くようになった人もいるそうで、おっちゃんたちのやる気もバッチリです。
「Derailleur Brew Works」(ディレイラブリューワークス)は、フランス語で「道を外す者=生き方を自分で選ぶ者」を意味するディレイラを冠し、常識や一本道に囚われない発想やマインドで、ビールを作り続けていくことを信念としています。
ディレイラブリューワークス
所在地: 〒557-0004 大阪府大阪市西成区萩之茶屋2丁目10−2
営業時間: 9時00分~18時00分
電話: 06-6575-9067
アビタイユモン (ビア&バー)
所在地: 〒557-0016 大阪府大阪市西成区花園北2丁目12−28
営業時間: 9時00分~15時00分
電話: 06-6630-8785

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