鴨川?セーヌ川?

パリ市内を貫くセーヌ川のほとりに人々が距離を取り腰を下ろす様子を収めた写真が、ツイッター上で注目を集めたのですが、その写真を見た京都市に13年住んでいるフランス人に言わせると、
「パリのセーヌ川が京都の鴨川みたいになっていた」
だそうです。
京都市内を流れる鴨川の河岸は「カップルが等間隔に座る」という法則で有名ですが、写真を見ると確かによく似ています。
パリ市と京都市は姉妹都市で、フランス語講座の開講やアートイベントの実施などでフランスの文化の発信に取り組んでいる「アンスティチュ・フランセ関西」の専任講師で、姉妹都市提携の折りには橋渡し役を担った経緯があるミシェル・ダヴィさんによると、人々が離れて座る様子を「新型コロナがはやっているせいでしょうか」と推察しています。
セーヌ川は全長780キロメートルと長大で、河岸の一部は世界遺産に登録されています。2024年開催予定のパリ五輪で開会式の会場に利用する計画もあり、また、映画の舞台に選ばれたり、多くの外国人観光客が訪れたりする「フランスの一つのシンボル」です。パリ市はセーヌ川を人々が集う場所にしようと工夫を凝らしているそうで、その一つがパリ市の夏の恒例企画「パリ・プラージュ」です。「プラージュ」は、フランス語で「砂浜」を意味し、その名の通り、セーヌ川のほとりに人工ビーチを作り出してしまうというもの。
パリ・プラージュの写真を見てみると、河岸にパラソルがずらりと並び、水着姿の人々が川べりに腰掛けたりビーチチェアで日光浴したりしてバカンス気分を楽しんでいて、ビーチバレーで遊ぶ人もいるらしいです。先ほどのダヴィさんはセーヌ川と鴨川について「似ているのは、市民が散歩したりジョギングしたり、ゆっくりと時間を過ごしたりするところくらいですね」と語っています。家族やカップルが集まる点も類似していますが、事情が異なるところもあり、それは、セーヌ川のほとりは石畳の部分が多いうえに、パリ市内は夏も湿度が低く、昼夜の寒暖差が激しいため、鴨川のように長時間座って話すことは難しいことだそうです。
では、パリ市と京都市はどうかというと、「市民が自分のまちを好きで誇りを持っているところが似ています」とダヴィさんは指摘しています。京都市同様、パリ市も独自の景観や文化を非常に大切にしているところが似ているそうです。また、京都市は大学や学生の数の多さから「学生のまち」と称されていますが、パリ市やその近郊も大学や高等専門教育機関「グランゼコール」といった教育施設がいくつもあり、若者がたくさん住んでいます。ダヴィさんは、地球温暖化対策の国際的枠組み「京都議定書」と「パリ協定」を例に挙げ「世界的に影響を与えられる都市でありたいと考え、アピールに関心があるところも似ていると思う」と話しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

高島屋東別館

次の記事

ブータン王国