ヒマラヤとの出会い

8000メートル峰と呼ばれる地球上にある標高8000メートルを超える山は14峰ありますが、すべてアジアのヒマラヤ山脈、およびカラコルム山脈にあります。ヒマラヤは、狭義にはインド亜大陸とチベット高原を隔てている無数の山脈から構成される巨大な山脈であり、西はパキスタン北部インダス川上流域のナンガ・パルバットから、東はブラマプトラ川大屈曲部のナムチャバルワまで続く、ブータン、中国、インド、ネパール、パキスタンの5つの国にまたがる全長2,400キロに及ぶ山脈を指しますが、広義の意味では、ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの衝突によって形成された周辺の山脈である、カラコルム山脈、ヒンドゥークシュ山脈、天山山脈、崑崙山脈などを含みます。この山脈には先に挙げた8000メートル峰14峰のほかに、7,200メートル以上の山が100峰以上存在します。一方で、アジアのこの地域以外には7,000メートル以上の山は存在せず、アンデス山脈のアコンカグアの6,961メートルが最高標高です。
プレートテクトニクスによると、ヒマラヤ山脈は、インド亜大陸のユーラシア大陸への衝突により形成され、インド亜大陸がユーラシア大陸の下にめり込むことによって隆起したのがチベット高原です。アジアの大河であるインダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川、黄河、長江の水源となって数々の古代文明を育み、このヒマラヤ水系には約7億5,000万人の人々が生活しています。ヒマラヤの語源を探ると、ヒマラヤとは古代インドで使われたサンスクリット語でヒマ(Hima)とアラーヤ(Alaya)というふたつの言葉がむすびついたものです。 ヒマとは「雪」、アラーヤは「棲家、家」の意味があり、あわせてHimalaya(雪の棲家)となります。ヒンドゥー教においては、ヒマラヤはヒマヴァット神として神格化されており、雪の神としてマハーバーラタにも記載されています。彼はガンガーとサラスヴァティーの2人の河の女神の父であり、またシヴァ神の妻であるパールヴァティーも彼の娘です。
こうしたヒマラヤですが、私は30歳になる直前の1997年末から1998年初にかけての冬休みに実際に見に行こうと思っていました。事の起こりは友人から冬休みにネパールに行こうと誘われたからです。大学の卒業旅行も就職活動のドサクサで行くことが出来ず、会社に入ってからは、金は有るけど暇がない状態で、ゆっくり海外旅行に行くきっかけがなかったので、30歳の記念にどこか海外に行ってみようかな?などとはうすうす考えていたのですが、当時、私はハウスミュージックで夜ごとクラブで踊っていたので、行くとしたらハウス・クラブの本場、ニューヨークやシカゴに行って数あるクラブを巡ってみようかなとは思っていました。だから、それを聞いたときは友人の言葉を「ふ~~~ん」という感じで受け流していたのですが、ちょっと興味があったので、ネパールのガイドブックを見てみると、そこに載せられていたヒマラヤの写真に見とれてしまいました。
どうせネパールに行くならヒマラヤが見たい!!!そう思って、社会人の年末年始の休みに行って帰ってくることのできるヒマラヤトレッキングルートを探してみると、
1.アンナプルナ山域
2.ソル・クーンプ山域(エベレスト街道)
3.ランタン
の3つのコースなら大丈夫かなと思って詳しく調べました。
1のアンナプルナ山域ですが、まずダンプスまでなら悠々行って来れそうですがそれではなんか物足りない。どうせならアンナプルナ山域やダウラギリ山域が見渡せるブーンヒルという展望台か、その先のカリ・ガンダキ流域のタトパニまでは行きたかったのですが、そうすると7~8日かかってしまう。欲を言えばカリ・ガンダキ沿いのジョムソン街道を北上してトゥクチェから先に行ってみたい。土砂を含んだ黒い濁流を北上すると、亜熱帯らしい景観はいつしか荒涼としたチベット的風景へと移り変わっていきます。しかし、日数的に無理でした。

2のソル・クーンプ山域(エベレスト街道)は、何と言ってもエベレスト(8848m)を始めローツェ(8516m)、ヌプツェ(7855m)などの勇壮な姿が拝め、コースにはチベット仏教のゴンパ(僧院)があり、チョルテン(仏塔)が建ち、マニ(経文石)が並び、タルチョ-がはためき、草原にはヤクが草をはんでるような完全なチベット文化圏が広がります。ただ、エベレスト街道の玄関口のルクラのテンジン・ヒラリー空港には、双発機のツイン・オッター(20人乗)かピタルス・オッター(7人乗)しか飛んでおらず、天候によっては何日も飛ばない日もあるので、時間に厳しい日本のサラリーマンにとってはギャンブル過ぎて無理でした。

3のランタンは、飛行機でカトマンドゥのトリブバン空港に着陸する直前、北に見える白い峰々で、1949年にイギリスの登山家ティルマンによって「世界で最も美しい谷の一つ」と呼ばれたランタン・コーラがあり、ヒンドゥ-教の聖地の一つ神秘の湖ゴザインクンドもあります。出発地点のドゥンチェまではバスがあり、天候に左右される飛行機に比べたらスケジュール的にも安全で、所要時間は6~10時間。ドゥンチェ~シャブルまでで1日。途中、チベットとの国境に聳えるべグー山群が見え、チョルテンも見かけるようになります。シャブルの手前からは彼方高くにランタン・リルン(7234m)も仰げます。

しかし、こうしていろいろ検討したものの、年末年始というのはヒマラヤトレッキングのハイシーズンで、カトマンドゥまでの航空券が全く取れず、ロイヤル・ネパールの直行便だけでなく、バンコク経由、シンガポール経由、カルカッタ経由、ダッカ経由のあらゆるルートのキャンセル待ちを予約して時を待つしかなかったのですが、ハワイなどの誰もが行くようなところではなく、ほとんどキャンセルなど出るはずもなく、年末を控えた時に確認してもやっぱりダメでした。結局、ネパールに行ってヒマラヤを見るという計画は頓挫するのですが、翌年の夏休みに生まれて初めての海外旅行でチベットへ行くことになり、ヒマラヤを南のネパール側からではなく、北のチベット側から、飛行機の窓からでしたが見ることができました。この話はまた今度。

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