大阪カルトTV

鮫肌文殊という古舘プロジェクトに所属する放送作家をご存じでしょうか?今だと「世界の果てまでイッテQ!」などを担当し、過去に手掛けた番組では、「ASAYAN」、「おしゃれイズム」、「筋肉番付シリーズ」、「ぐるぐるナインティナイン」、「さんまのSUPERからくりTV」、「進め!電波少年」などがある人気放送作家です。ウィキペディアでは、兵庫県神戸市出身となっていますが、実は兵庫県高砂市牛谷というなかなかの田舎出身です。

高校時代、70年代伝説の読者投稿雑誌「ビックリハウス」に投稿し、「エンピツ賞」という小説の賞と、「カートゥーン大賞」というマンガの賞を立て続けに受賞しましたのですが、当時の投稿雑誌には採用者の名前と一緒に住所も掲載されていたため、ファンレターが一日に100通届いたこともあり、サブカルの狭い世界とはいえ、全国的に注目されていました。そんな折、私が尊敬し、最も影響を受けた中島らもさんと出会い、テレビの制作にかかわるようになるというか、引きずり込まれます。いわば、中島らもさんが後の放送作家・鮫肌文殊の生みの親であり、その中島らもさんが80年代に大阪のよみうりテレビで作っていた「どんぶり5656」や「なげやり倶楽部」は、伝説のカルト番組として語り継がれています。

 

どんぶり5656

1983年10月8日から1984年3月30日までよみうりテレビで金曜深夜に放送されていたバラエティ番組で、ナンセンスなギャグとシュールなコントを主体とし、その後のよみうりテレビの深夜コント(『週刊テレビ広辞苑』、『現代用語の基礎体力』、『ムイミダス』、『未確認飛行ぶっとい』、『怒涛のくるくるシアター』など)の基盤を作りました。主なコーナーとしては以下のようなものがあります。

「砂の器」のコーナー

スタジオで天使のコスチュームに扮した竹中直人が視聴者から寄せられた葉書を一枚ずつ読み上げ、「砂の器」のテーマをかぶせて不条理な笑いを醸し出す不幸ネタのコーナーです。

窓からホームが見える

安岡力也が電車(主に大阪環状線)に乗りながら、各駅から乗り込むゲストと談笑するコーナー。コーナー名は映画『窓からローマが見える』から取られました。先頭車両を陣取っていたのですが、仕切っていないので乗客がカメラの前を平気で横切ったり、乗客いじりをしたりと毎日放送の番組『夜はクネクネ』のようなコーナーです。山手線でもロケを行った事がありますが、よみうりテレビのキー局・日本テレビでは放送されていないので乗客は冷やかな反応だったそうです。

夜はまっすぐ

定点カメラで遥か彼方から西川のりおが「夜はまっすぐ」を連呼しながら真っ直ぐカメラに向かって走り、やがて去るだけのコーナー。コーナー名は「夜はクネクネ」から取っています。

男一発あみだで勝負!

「3万円か丸刈りか」のキャッチフレーズでタージンが街頭で道行く若い男性を呼び止め勝負を仕掛ける。道路にチョークで3本線のあみだくじを書き、「当」(1本)を引けば賞金3万円が貰えます。「刈」(2本)を引けば1万円が貰えるものの、その場でタージンにより電動バリカンで丸刈りにさせられてしまいます。一度、「刈」を引いた瞬間に猛ダッシュで逃亡した者がいましたが、スタッフが包囲網を張って周囲を捜索。捕獲された上、丸刈りにされました。

タージンのヒヨコ劇場

タージンが雛の格好に扮し、ヤンキーのヒヨコや居眠りヒヨコなどギャグを披露します。

お父さんはブレードランナー

最終回だけの特別編で、竹中直人、シティボーイズのきたろうなどが扮するレプリカントを小林克也扮するブレードランナーが追跡します。阪急下新庄駅や天満橋周辺でのロケもあり、大阪ローカル感に満ちた作りでした。

なげやり倶楽部

1985年10月19日から1986年1月25日まで読売テレビで放送されていたバラエティ番組で、放送時間が毎週土曜の17:30 – 18:30だったこともあり、全12回で終わってしまいました。土曜夕方の放送にもかかわらず、コントコーナーの劇中には過激なネタや不条理な展開が多く見られました。主なコーナー・コントは以下のようなものがあります。

天敵を探せ!

神戸ポートアイランド内の「レストランエキゾチックタウン」にゲストを招いて行っていたトークコーナー。司会は中島らもと栗原景子が担当。このコーナーでは、ゲストが苦手とする人物について聞き出し、その人物に対してどうしてやりたいのかを聞き出していました。第1回目のゲストは細野晴臣で、同じYMOのメンバーである坂本龍一と高橋幸宏が苦手だと言い、「電磁石で新曲のテープをメチャメチャにしてやりたい」と答えていました。この他にも、ゲストと1つのお題について語るコーナーもあり、そのお題が書かれた紙は、「なげやり大明神」というおもちゃに封入されて運ばれていました。

不幸のつかみどり

栗原景子が毎回街中を行く人々を4人無作為で選んで行っていたコーナーで、彼女に突然「不幸!」と言われた通行人は、きんた・ミーノと草井毛平に連れ去られて強制参加させられました。参加者4人は不幸な事が書いてあるカードを引いていき、行司がそれを見て誰が最も不幸なのかを判定していました。このコーナーで優勝した参加者は、後述の「ぶぶ漬け招待席」に招待されていました。

ぶぶ漬け招待席

朝日放送の『味の招待席』のパロディーコーナーで、前述の「不幸のつかみどり」で優勝した者が招待されてゲテモノ茶漬けを食べさせられていました。司会はキッチュ(現:松尾貴史)が担当。キッチュが本家「味の招待席」の司会・桂米朝の声色を使って、ゲテモノ茶漬けの作り方を紹介。回を重ねるごとにコーナーが過激になっていき、最終的には食すのが不可能な茶漬けまで出されていました。

クイズつかみどり

「不幸のつかみどり」に替わって放送第10回から行われていたコーナー。司会は栗原景子と森武史が担当。1問目には単純な2択クイズを出題していましたが、解答をする際には蛸もしくは蟹(第2回目ではナマコ)を掴んで水槽まで運び込まなければならなりませんでした。正解者には賞金1万円が手渡され、不正解者には「おっちゃんクイズ」に挑戦する権利が与えられました。「おっちゃんクイズ」とは、氏家秀和扮するおっちゃんがマントに隠されている間にどのような格好をしているのかを当てるクイズですが、これにも正答できないと、氏家が着ていた服装と同じ格好で自宅まで帰らなければならなりませんでした。

ダウンタウンの電信棒郎みまわり日記

放送第1回から第9回まで行われていたコントコーナーで、松本人志演じる「電信棒郎」を中心に進行。電信棒郎は大阪・東天満の治安を維持している電信柱で、浜田雅功演じる工事現場作業員の格好をした男が悪行に手を染めるたびに現われて退治します。当初はコーナータイトルが無く、牧野恵美も参加していましたが、放送第6回目でタイトルが付き、浜田が出演するようになりました。しかし、このコーナーはストーリーが未完のまま終了し、ダウンタウンも番組を降板させられたそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

アナログレコード