生活困窮者支援

2020年8月17日のBBCニュースの記事によると、日本の内閣府は17日、2020年4~6月期の国内総生産(GDP)が前期比年率27.8%縮小したと発表し、新型コロナウイルスのパンデミックに取り組む中で、現行基準の1980年以降で最悪の落ち込みとなったそうです。この原因は、日本経済の半分以上を占める国内消費の深刻な減少と、世界貿易がパンデミックの打撃を受けていることからの輸出量の激減です。消費者の買い物が減れば、企業収益が減少するという連鎖が起きていて、こうした悪循環から、雇用情勢の展望に対する信頼感が失われ、就職機会についても不安感があります。

日本経済の最大の打撃となっているのはもちろん新型コロナウイルスですが、実は2001年以降、景気の弱まりが始まり、現在は明らかに景気後退の局面に入っています。日本経済の問題は高い生産性向上を達成できなかったことです。企業はバブル期の遺産として三つの過剰(債務、雇用、設備)を抱え、設備投資も減価償却内の更新投資に終始しています。また、膨大な額の内部留保を積み上げ、企業のバランスシートが大幅に改善したにもかかわらず、これまで以上に生産性の低迷や企業の国際競争力の低下が顕在化しています。こうした傾向は、データにもあらわれていて、日本の「1人当たり労働生産性」は世界37位で韓国に抜かれています。2020年の平均賃金も、OECD各国の中で日本は22位です。実に、過去30年間日本の平均賃金はほとんど増えていません。雇用の過剰は企業にリストラを進めさせ、それに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスです。

こうした影響は街中にもあらわれています。仕事や収入を失うなどした人たちの生活がますます追い込まれていて、東京・池袋の公園で支援団体が続けている「炊き出し」に集まった人数は今年に入ってさらに増えて過去10年で最多となり、リーマン・ショック(2008年)直後の水準に迫っています。以前の炊き出し風景と違う点は、公園での炊き出しの会場にいま、かつてないほど多くの女性が並ぶ姿が見られるようになったといいます。中には寒空の下、子ども連れで並ぶ人もいるそうです。とくに、一人暮らし女性の3人に1人が貧困と言われています。これが高齢女性になると2人に1人が貧困です。

生活困窮者が増え続ける中で、行政や市民団体なども様々な支援策を打ち出していますが、うまく機能しているようには思われません。そんな中、大阪市西成区の釜ヶ崎で活動するNPO法人生活支援機構ALLという注目すべき団体を発見しました。この法人は、コロナウイルスが蔓延する以前から、生活保護受給者等の社会的に立場の弱い人たちに対する住居情報の紹介及び提供事業や、障がいを持つ人や子どもが、自立、就労するための支援事業を行い、社会福祉の増進に寄与することを目的とし、家が無い・失業、虐待、DV、ケガ、病気などが原因で生活に困っている人達に訪問・相談を通じて必要な制度を紹介する社会貢献事業を行っていて、緊急を要する場合は、無料で食材の提供なども行っています。代表の坂本慎治さんは、最近になって様々なメディアでも紹介されるようになり、現在まで約1万人もの生活困窮や居住支援の相談にのり、3,000件の居住支援を行ってきた経験から「大阪に来たらええやん!西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル」という著書も出されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

坂本さんの簡単な経歴を紹介すると、中学卒業後、鳶職を経て某大手賃貸仲介業者へ就職。入社後まもなくNo.1セールスマンに輝く。その後、売買・収益・管理案件とさまざまな仕事をこなすものの、一方で生活保護者や障がい者を受け入れない大家に疑問を抱き、25歳の時にNPO法人生活支援機構ALLを立ち上げました。現在まで約1万人もの生活困窮や居住支援の相談にのり、大阪の居住支援の第一人者として日々活動しています。コロナ禍で増え続ける生活困窮者・住宅確保要配慮者等に住宅情報支援や適切な制度(生活保護等)へ繋ぐ活動をしており大阪で今もっとも注目される期待の異端児のひとりで、モットーは「人は見上げるものでも、見下げるものでもない、対等や」「生活保護は恥ずかしい事じゃない」だそうです。

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